おでんおでんおでん

過去投稿分(2016年12月~2023年12月)
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私は食べ物の好き嫌いがあまりない。

出されたものがあれば、ありがたくいただく。美味しいものを食べなければ、なんのために生きているのか、という方向にもいかない。たまに美味しいものを食べられたら嬉しいなと思うくらい。

それでも「苦手なたべものはありますか?」と聞かれたら、おでんのこんぶが苦手ですと答える。好き嫌いはあまりないけど、こんぶの巻いてある部分は、一口で噛みきれない。

くやしい。

一口で噛みきれないことに強い敗北感を覚えるので苦手なんです、と答えると相手は大抵よくわからない表情になる。そしてそうですかと答えて、話はうやむやとなり次に移る。こんぶに対する敗北感は共感をえられたためしがない。

それでも、おでんを昨日食べたばかりでもう食べたくなっている。それくらいおでんは大好き。きっかけは友達が教えてくれたセブンイレブンのおでんと薬味だった。

「柚子胡椒をつけて食べると美味しいんだよ」

そういって、コンビニのおでんにも特に愛着がなかった私にコンビニのおでんと柚子胡椒を教えてくれた。つゆもおでんも美味しかった。そして柚子胡椒をつけて食べると一層美味しく感じられる。

長年、高級バッグの会社で企画から販売まで携わった後に独立した友人だった。会社員時代に帰宅が深夜に及ぶとよくおでんを買って帰ったそうだ。
セブンイレブンのおでんは彼女にとって、店を任そうと言われるほどの実績と信頼を築きあげた時代につながっている。

その話を聞いてからだいぶ立つ。

友人は自分のブランドで足場を築き相変わらず忙しくしている。わたしは相当遅まきながら独立し、試行錯誤の日々を送っている。

そしたおでんを作ったり、高級ラインの紀文の季節おでんセットも食べるようになった。安かろう悪かろうな味のおでんに撃沈も何度かした。

もちろん薬味は柚子胡椒。最近のセブンイレブンでは薬味に味噌が加わっている。関西のおでんも一度食べてみたいし、おでんの名店と呼ばれる店巡りもしたい。

自分のことをたまに美味しいものを食べられたらなと思うくらいと考えていたけど、おでんに関して言うなら食いしん坊だ。

もちろん、美味しいものを食べれたら嬉しい。だけど、どんな時に誰と食べたのか。相手と自分はその時とそれからどうなったのかの方によっぽど強く惹かれる。

ものや食べ物、音、感触、五感を通して、どんな関係性を築いたのか。そういった記憶をひとつひとつ積み重ねていくのがとっても楽しい。

寒さも厳しい。人と食事する環境もかなり厳しい。それでも楽しいことはあきらめず機をうかがい、きっと実現していく。

楽しいことを未来になにも約束しないなら、なんのために生きてるってなもんですよ。

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