今日は日常の風景を。
ひたすら出刃包丁を研いでいる
新年になって弟と初めて会ったけど、釣り沼にずぶずぶとはまっていた。家にくるなり研ぎ石を台所の盥に沈める。そして自分が前回研いだ包丁を見つめてにやついていた。
その後、カーテンの向こうで包丁を研ぎ始めた。
シャリシャリシャリ。
シャリシャリシャリ。
昔話の世界のようで、異様だった。
なにかが彼に出刃包丁を研ぎたくなるようにかき立てているのかもしれなかった。そのなにかがわかる日がいつくるのかはわからない。
試し切りが降ってくる
前日に大きな揺れがあった。わたしは緊急持ち出しリストを点検する。その間も弟はひたすら出刃を包丁をといでいる。出来上がると、チラシで試し切りを始めた。
シャーシャー。
シャーシャー。
弟はいやがらせのように姉の頭の上から紙片を降らせてきた。
「姉貴だからやったんだよ〜。他の人だったらやらない」
こちらはちょっとナーバスである。改めて防災準備をしてきづいたことは、
持ち出せるものはほとんどないこと。経験や体験してきた記憶くらいかもしれない。そして今は試し切りしたチラシが頭の上から降る経験をしている。ヤメレ。
釣り人の買い物
久しぶりということで買い物につきあう。ワークマンでは彼のお目当てなる電熱ベストは売り切れていた。しかもアウトドアにも力を入れているらしく、釣り用の装備として帽子、折り畳める靴、手袋を買っている。
そのあとはタックルベリーへ。いつもいく海岸では釣り人がよくいるけど、釣り専門店に生まれてはじめて入る。釣り用の言葉がポップに使われている。まったくわからない。
ワクワクさびきセットが売っていた。鯵のイラストが描かれている。「サビキ」を釣るのになんで「鯵」が関係あるんだろう。疑問に思い聞くと、「サビキ」は魚ではなく、魚の釣り方だった。網に餌を入れて、針に餌をつけないで釣るらしい。
そういえば海に行くと釣りをしている人たちは「アミ姫」を使っているけど、あれはサビキ釣りをしていたんだと記憶と知識が繋がる。釣りのことはまったくわからないけど、世の中には好きがいろいろあると実感する。
弟は夕飯にパスタをリクエストしてボロネーゼを食し帰っていった。彼は出刃包丁をひたすら研ぎ、釣り沼を邁進している。動揺しがちのこちらは返って癒される。あのくらいの図太さがほしいなあと思う。
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