火垂るの墓を初めて観たのは、遅れて入った映画館でした。
当時となりのトトロと二本立てで公開されていたのですが、
幼い私はぐずぐずしていたか何かで、上映時間に遅刻したのです。
ちょうど清太と節子の母親が負傷して包帯ぐるぐる巻きになった場面です。
戦争の「せ」も知らないような年頃だったし、
母親も、父親も、節子も、主人公も、みんな死んでしまうのが衝撃的で怖くなりました。
あとからとなりのトトロが上映されたときはほっとしたのを憶えています。
高畑勲監督のお別れの会が開かれましたね。
初めて観た火垂るの墓の印象が強烈すぎて、私は監督の作品にのめりこむこと自体できませんでした。
だから高畑監督が亡くなられた時も、なにか現実のこととして捉えられなかった。
でも、お別れの会の宮崎駿監督の弔文を読んで、はじめて本当のこととして自分の身に迫って来ました。
だいぶ人と人のかかわりかたに疎いなぁと自覚しています。やれやれ。
何かを、誰かを通して本人を見ることで、私は相手のことを理解できるようです。
輪郭くらいかもしれませんが。
高畑監督のご冥福をお祈りします。