ある晴れた昼下がり公園で

過去投稿分(2016年12月~2023年12月)
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春の公園は気持ちがいい。
一眼レフカメラでポツポツ写真を撮るようになってから、
時間があるときにはカメラ片手にどこかに出かけたいと思うようになった。
週末になっては海が見たいだの、緑豊かな公園に出かけたいだの、
ウキウキしながら、外にでる。
なんといっても季節は春。
桜は関東ではシーズンが終わってしまったけど、
可憐な花びらが落ちた後には、元気な葉が広がって目に楽しい。
雀も鳩も今が時とばかりに餌さがしに忙しそうだった。
追いかけて追いかけてぇもぉ、つぅかぁめぇないものばかりさ〜♪
だいぶ昔の歌のような気がするなぁと振り向いたら、男性がうずくまっていた。
黄土色のダウンジャケットにサングラスをかけたヒゲの濃い男性。
ヒゲさんは友達らしい男女に「ははは」と言われながら腕を引っ張り上げられている。
「知ってたよ。付き合っていたのは聞いていたけど、現実的にさぁ、こうして目の前に出されるとだね。ほら。なんだろ」
ぅおお追いかけてぇもぉおおお〜♪
おおおおおぉおおおお〜♪
ヒゲさんは再び歌い出した。
カップルらしい男女、歌い続けるヒゲさんを引っ張っていく。
「ねぇ、俺に彼女ができないのってなんなんだと思う?ウォウゥ〜」
ヒゲさん、引っ張られながらも愚痴モードに突入した。
男女、無言でヒゲさんを引きずっている。
ずりずり
うぉうおぅおおおおお〜
ずりずり
おうおおおお〜
ずりずり
ある晴れた昼下がり出口に続く道
男女が出口にヒゲ男つれていく〜
ヒゲさんは可愛くはなかったけど、おうおうおぅ〜と吠え続けている。
春の公園は気持ちいい。
気持ちよくて、そしてなかなか味わい深い。
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