今、私はなんとも言えない気持ちでこの日記を書いております。若干語調も乱れているのでご勘弁なさいまし。
私は年末年始の風邪も回復して、ジャンジャン忙しくなってきたのさ。正月にゴロゴロしすぎていたツケが返ってきただけかもしれないけど。
新しい企画が動きだし、挑む気持ちと怖じ気づく気持ちの板挟みになりながら、自宅に向かったわけだ。どうしよう明日締め切りだよとつぶやきながら。
ずりょ
ずりょ?
足元に目をやると右足側のブーツの靴底が半分剥がれてたんだ。そんなことあるわけないって思うだろう?普通にあり得ないことがおこるのがこの世界らしいぜ。
半分靴底が剥がれたブーツは、歩くたびにずりょっ、ずりょっとなんとも言えない音を出してくる。歩きにくいことこの上なかったんだ。
その上自宅まで、徒歩10分以上はかかる地点にいたんだ。なんてこった。仕方ないから剥がれた靴底を引きずらないように、歩き方を工夫したんだ。
①軍隊が行進するときのように、右足だけ思っ切り高く蹴り上げるように歩く
②踏み台昇降のときのように太ももを思いっきり高くして歩く
①と②を駆使すれば、ずりょっと引きずらなくて済んだ。
でも思う。なんだか馬鹿みたいだ。
どう思う?夜道を右足だけ明らかに不自然な持ち上げかたをした女が歩いているんだぜ。そして時々足の持ち上げ方に失敗して、ずりょっ、ずりょっとブーツの靴底を引きずっているんだ。
ずりょっ、ずりょっ。
私はこの引きずる感覚が苦手なんだ。思えば、つぶ餡を口に含んだときの、あの小豆の薄皮の感触が苦手だ。私は確かに咀嚼したさ。にもかかわらず、にもかかわらずだ。あの薄皮は私の舌の、味蕾にしっとりと残り、まだまだ飲み込めていないぞとさりげなく訴えてくる。
さらに言うなら。おでんの昆布巻きのあの結んで分厚くなっている部分。あそこを一度に噛みきれないのが悔しい。私はやっぱり咀嚼したのさ。それにも関わらず、一度では噛みきれない。なんてことだ。お前の小癪な咀嚼などで立ち向かえるわけがないだろう?そう、昆布巻きに言われているような気持ちになる。
そう、引きずる感覚は、引きずる食感は、私に敗北感をもたらすのだ!
そこまで言うならコンビニでアロンアルファでも買ってくっつければいいと思わないか?
コンビニしばらく歩かないとないんだ。
こうして右足を不自然な高さにあげながら歩く女は無事に家にたどり着けましたとさ。
そう言えば、以前にも雨の日に靴底に穴があいたっけ。
嘘だと思うだろう。しかし残念ながらどちらも本当の話さ。
どうなってるんだ靴底。
みなさまも穴の開く靴底、剥がれる靴底にご注意を(笑)