日常のちょっとした妄想【ジブリ大人女子編】

過去投稿分(2016年12月~2023年12月)
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隠されると暴きたくなる。

秘められたものは見つけたくなる。

古より人はまだ見ぬ何かを求めて、世界中を旅してきた。

それは、一軒のBARとて同じである。

神楽坂――。

老舗の料亭が息づき、今も高級車が留まるこの地に、不思議なBARがあるという。

カレー店「ぼなっ」を右手に坂を上ることわずか、入り口に太鼓の達人が置かれたゲームセンターのあたりの脇道に入る――。

BARを探す人々の間ではそこまではわかっているらしい。いたって簡単な道のりだ。坂をまっすぐ登って右に曲がるだけなのだから。しかし――。

しかし、ここからがBARに「不思議な」とつく所以なのだがーー。

そのBARには特殊な条件を満たさないと繋がらないらしいのだ。というのは、どうやら別の空間で繋がったところに元々存在するのだというーー。

さながら、となりのトトロの住みかのように。

BARジブリ。この世であって、この世でない場所に存在する店。そこでは今宵も女たちのささやきが聞こえてくる。

「振られたのっ?!」

一斉に向けられた顔を見回してから、彼女は微笑んだ。

「振ったの!彼、天性の女たらしよ。仕事で潜入した国で鉢合わせしちゃってさ。おまけにその国の公女に言い寄られてるワケ。まだ16、7歳位のコよ。コイツは〜って」

「信じられない!だって彼ははいい大人でしょう?どこまで女性を誑かしてるんですか?!あ、おかわりです」

「ありがとフィオちゃん。改めて振って正解って思ったわ。ま、ルパンも最後は彼女と別れたんだけどね。自活もできない、盗みもできない公女と一緒じゃあ泥棒家業はできないわ。ぎりぎり賢明ね」

「え〜、納得いかない!なんなんですかね不二子さん。男の人って……」

「仕事が出来るだけましさ。私の最初の夫は海賊の頭だったが、あんまりにも不甲斐ないから、頭から蹴落としたよ。ほれたはれたなんてどうでもいい話だがね。」

エボシ御前の言葉に、フィオは言葉を失う。ドーラが横でうなずきながら、

「そうそう、頭領やってりゃそうなるね。わたしも大勢の部下を引き連れながらシャルル、ルイ、アンリの三人息子を女手ひとつで育てたもんさ。」

「はぁ〜。子育てと頭領かぁ。なんか想像つかないや」

フィオ、ため息をつく。

「ご立派ですわ。私はせいぜいホテルアドリアーノを切り盛りするくらい。飛行艇乗りの夫には3人とも先立たれてしまいましたが。今の生き方を愛していますの」

ジーナがそう言いながら、伏し目がちに視線を泳がせる。なにかを追っているような、何も追っていないような表情だった。フィオは彼女の賭けた恋、ポルコのことを思い出した。

そうだ、ポルコは……。

「乾杯、しましょう」

不二子がロックグラスを持ち上げる。エボシ御前、ドーラ、ジーナが無言でうなずく。フィオは、あわててウーロン茶の入ったコップを手に取る。

「かんぱーい!!!」

BARジブリ。

人生の荒波を泳ぎ抜く、美しくも逞しい女たちが夜な夜なつどい、交歓をかわしている。

 

————いや、なんかカリオストロの城の不二子と、天空の城ラピュタのドーラと、紅の豚のジーナとフィオと、もののけ姫のエボシ御前が会話したらどうなるんだろうって思って。

カリオストロはジブリ作品ではないですが、ジブリの大人の女性たちってバリキャリ(違)じゃないですか。仕事はできるし、美しくもある。そんな大人の女性でくくった妄想を書きました。

各キャラに猛烈なイメージを持たれてる方がいたらごめんなさい。遊びですから笑って許してやってくださいませ。

と、こんなことを書きたくなったのは、先日公開されたジブリの鈴木Pのインタビューが熱かったからです。宮崎監督の次回作に期待!!

 

以下デンファミニコゲーマーサイト記事より。

 

ジブリ鈴木敏夫Pに訊く編集者の極意──「いまのメディアから何も起きないのは、何かを起こしたくない人が作っているから」
宮崎駿作品をはじめとする、数々の名作アニメを生み出してきたスタジオジブリ。その語源であるイタリア語“GHIBLI”と同じ由来によって名付けられた雑誌がある。そのスタジオジブリによって2003年に創刊され、現在も刊行を続けている月刊誌「熱風(...

 

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