海に参加者のみんなで行った。
ここの波が砕ける音は迫力がある。普段聞き慣れている音は「ざーん」とか「ざざーん」とかの擬音で表現されるような静かで余韻のあるものだけど、そんなおとなしいものではなかった。
板を真っ二つに割るような、叩きつけるような音が聞こえてくる。「どーん」に近い。海は穏やかだったし、決して風が強いわけでもない。普段からこういう音なのかもしれないけど、私はなんだか怖くて慣れるまでちょっと時間がかかった。
夕日の沈みかけた砂浜を歩いていると、むずむずしてきた。走りたい。それは他の子も同じだったらしく、いつの間にか砂浜をみんなで走っていた。なんなんだ。海、すごい。
青春だー!青春だー!
ついでに全員がジャンプしている集合写真まで撮影することに。
あおはるははるか昔なんだけど、これはこれで面白かった。
山元町は宮城県の南部に位置していて、福島県と接している。
砂浜の途中からが福島県になっているのだけれど、そこには砂浜が続いていて、土地が続いているので、境目と言われてもあまりピンとはこなかった。(右に見えるのは火力発電所)
夜はPetite Joie(プチット・ジョア)というケーキ屋さんでインタビュー見学をさせたいただく。店内にはイートインスペースもあり、美味しそうなケーキがところせましと並んでいた。た、食べたい。
モデルとして現役のライターの方がインタビューをしてくださった。美しく切りそろえられた髪にメガネをかけた柔らかい雰囲気の女性。相手のことを少しでも知ろう、という敬意がにじみ出ていてとても素敵な方だった。私は普段頭でごちゃごちゃ考えていっぱいになりがちだけど、相手に添って物事をなしていく姿勢というのを思い出させてもらった気がする。購入したケーキでさらに豊かな気持ちになる。
今回の宿泊でお世話になったミガキハウス。
翌日はインタビューが実行されて、私はライターとして家具職人にインタビューをした。お話を聞かせていただいた家具職人の方の生き方もまた型破りで、境目がなくてとっても気持ちの温まる取材になった。
今回、「魔法をかける編集」を読んで、そして旅を振り返ってみた。
私はその土地で暮らす人から見たらいわばよそ者としてお邪魔したことになる。
インタビュー記事を作成した、そのこと自体は本当にささやかなことだ。
けれども、それでも「インタビュー記事を作る」というビジョンのもと、よそ者としての「風」と現地で生活を営む「土」である人たちが関わりあったことは立派な編集だと思っている。
互いにまったく違うもの同士がかけあわさった時に生まれてくるまったく新しいもの。
そこにワクワクしてくる。
過去に起こったことも、今目の前にあることも、全部ひっくるめて新しいものを生み出す。
そんな挑戦をしたいと思う。
*追記
今回の記事を書くきっかけとなった藤本智士さんの「魔法をかける編集」が2月8日までnoteにて全ページ無料公開されています。興味のある方はぜひ♪
